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第22回日本運動疫学会学術総会および最優秀・優秀演題賞のご報告


第22回日本運動疫学会学術総会
事務局長 齋藤義信


2019年6月22日(土)、23日(日)に慶應義塾大学日吉キャンパス来往舎にて、第22回日本運動疫学会学術総会を開催しました。
今回はあいにくの雨模様にも拘らず、184名の方にご参集いただき、メイン会場がほぼ満員となり、大変有意義な学術総会になりました。学術総会開催にあたり、共催いただいた慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科、後援いただいた公益財団法人健康・体力づくり事業財団、健康日本21推進全国連絡協議会、特定非営利活動法人日本健康運動指導士会、ご協賛いただいたオムロンヘルスケア株式会社、大塚製薬株式会社には、この場を借りて感謝申し上げます。
また、大会準備を進めるにあたり、プログラム委員会の諸先生方に大変ご尽力いただきました。この場を借りて心より御礼申し上げます。

本学術総会のテーマは、「繋ぐ−スポーツ・身体活動と地域・ヘルスケア−」としました。不活動者が世界的に多く、減少の傾向を認めない中、多分野が連携して安全・安心に身体活動促進を進めていく必要があります。超高齢社会の日本で特に今必要で、世界への発信も重要と感じています。一人ひとりの能動的なアクションを意識し、“繋ぐ”としました。本学術総会では、小熊祐子大会長(慶應義塾大学)による学術総会テーマの趣旨を含めた大会長講演から始まりました。

下光輝一先生(健康・体力づくり事業財団)、小熊祐子大会長が座長を務められた本学術総会のメインシンポジウム「身体活動促進を真に進めていくために―2020東京オリンピック・パラリンピックを控え、次の10年(2030)を考える―」では、身体活動促進を直接担う重要な部門の方々に演者をお願いしました。武井貞治先生(厚生労働省)から「健康増進に向けた厚生労働省の取組」、安達栄先生(スポーツ庁)から「スポーツ庁の立場から〜Sport in Lifeを目指したスポーツ庁の取組〜」、井上茂先生(東京医科大学公衆衛生学分野、日本運動疫学会)から「運動疫学者・学会の立場から」、荒籾忠志先生(日本健康運動指導士会)から「健康運動指導士・健康運動実践指導者・日本健康運動指導士会の立場から」、ア尚樹先生(ルネサンス)から「産業界の立場から見る、健康・運動・スポーツの2030年」と題し、それぞれのお立場からご発表いただきました。その後の全体討論では、会場の先生方と活発な意見交換がなされ、コベネフィットが得られる議論を深められたのではないかと思います。

今回は、運動疫学分野で世界をリードする2名の先生からビデオ講演によるショートレクチャーを企画しました。
1日目は、昨年5月の第71回WHO総会で決議され、6月に公開された行動計画「Global Action Plan on Physical Activity 2018-2030」をリードするFiona Bull先生(WHO:世界保健機関)のとてもパワフルなビデオ講演により、世界の動向を分かりやすくお示しいただきました。
2日目は、小熊祐子大会長の運動疫学の原点ともいえるI-Min Lee先生(Harvard Medical School)より、介入研究(無作為化比較試験)と観察研究について最新の運動疫学研究を例にお話しいただき、研究手法について会場で議論をすることができました。

プログラム委員会企画の教育セッションでは、上村夕香理先生(国立国際医療研究センター)が「因果推論のいろは:基本を押さえて理解する新たな統計手法」と題して、因果効果や観察研究における因果推論の新たな解析手法について大変丁寧かつ分かりやすく解説してくださいました。座長の鎌田真光先生(東京大学)、松下宗洋先生(東海大学)からも適切な解説があり、参加された皆様の状況に応じた学びの機会になったのではないかと思います。

教育講演では、慶應義塾大学のおふたりの先生から運動疫学の研究・実践にも役立つホットで重要なトピックをご講演いただきました。新井康通先生(医学部百寿総合研究センター)は「人生100年時代の健康を考える〜主にフレイルの観点から〜」、勝川史憲先生(スポーツ医学研究センター)は「生活習慣病のための食事:エネルギー必要量と糖質制限のエビデンスの現状」と題してお話しいただきました。各講演で座長を務められました原田和弘先生(神戸大学)、田中茂穂先生(医薬基盤・健康・栄養研究所)にも感謝申し上げます。

1日目の夜には、会場の来往舎ファカルティラウンジにおいて恒例の懇親会が開催されました。ご講演いただいた先生方も交えて、和やかな雰囲気の中で、参加者同士の親睦が深まったのではないかと思います。乾杯のご発声をいただきました荒尾孝先生(明治安田厚生事業団体力医学研究所)にも感謝申し上げます。

さらにプロジェクト研究報告では制度の紹介と進行中の研究4件(継続3件、新規1件)の発表がありました。一般演題は、口頭発表5題、ポスター発表19題の合計24演題の発表がありました。今回はもちろん、例年質の高い発表と活発な質疑がなされており、これは日本運動疫学会の大きな強みであると感じました。
一般演題24演題のうち、理事11名の審査員による厳正な審査の結果、最優秀演題賞1演題、優秀演題賞3演題が選出されました。受賞された先生方、誠におめでとうございました。

【最優秀演題賞】 筆頭演者:桑原恵介先生(帝京大学大学院、国立国際医療研究センター)
         演題名:日本人労働者における通勤手段と余暇運動の変化の組み合わせとbody mass indexの変化


【優秀演題賞】  筆頭演者:天笠志保先生(東京医科大学)
         演題名:豪雪地域在住高齢者における非積雪期と積雪期の加速度計で評価した身体活動パターンの比較:NEIGE study
             〜Compositional data analysis を用いた縦断研究〜

         筆頭演者:伊香賀俊治先生(慶應義塾大学)
         演題名:住宅の断熱改修前後の暖房習慣の変化が身体活動に与える影響

         筆頭演者:福島教照先生(東京医科大学)
         演題名:性・学年・就学前施設の種類別にみた幼児期運動指針の充足者割合に関する記述疫学的検討

「最優秀演題賞を受賞された桑原恵介先生のコメント」
この度は私どもの発表を最優秀演題賞に選んでくださり、関係の皆様に研究チームを代表して御礼申し上げます。世界的に働く世代が体を動かさないこと(とそれに伴う疾病負担の増大)が大きな問題となっており、その解決が求められています。詳しくは世界保健機関による最新の行動計画にもありますが、身体活動の改善は人々の健康のみならず、持続可能な環境・社会づくりにもつながることが期待されています。通勤手段を徒歩や自転車、公共交通機関利用などのよりアクティブな通勤手段に切り替えていくことはその具体的方策の一つとして期待されていますが、アジアにおけるエビデンスは乏しい状況でした。そこで今回、日本の労働者約3万名を5年間追跡し、アクティブな通勤を支持するエビデンスとして抄録に記載の内容を報告いたしました。アクティブで健康な世界の実現に向けた活動に引き続き取り組んでいく所存ですので、今後とも宜しくお願い申し上げます。


2日間の学術総会全体を通じて、参加者の皆様一人ひとりの次のアクションに繋げられたのであれば、事務局一同大変うれしく思います。皆様、ありがとうございました。
来年度の第23回日本運動疫学会学術総会は、内藤義彦先生(武庫川女子大学)が大会長として開催されることが決定しました。来年の学術総会も皆様の積極的なご参加とご発表をお願い申し上げます。



メイン会場(来往舎シンポジウムスペース)



 メイン会場(来往舎シンポジウムスペース)



 ポスター会場(来往舎イベントテラス)



 最優秀演題賞 桑原恵介先生(帝京大学大学院、国立国際医療研究センター)



 優秀演題賞 天笠志保先生(東京医科大学)



 優秀演題賞 伊香賀俊治先生(慶應義塾大学)



 優秀演題賞 福島教照先生(東京医科大学)(東京医科大学)



 集合写真







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