特集「介入研究によるエビデンス提供」
編集委員会では、日本運動疫学会プロジェクト研究「介入研究によるエビデンスの「つくる・伝える・使う」の促進に向けた基盤整備」(研究代表者:中田由夫、採択番号1401)に関する論文(種別:資料)を募集していました。詳細は以下のとおりです。
研究課題:介入研究によるエビデンスの「つくる・伝える・使う」の促進に向けた基盤整備
研究期間:2015年2月〜2019年3月
申請者:中田由夫,笹井浩行,北畠義典,種田行男
プロジェクト研究の詳細:中田由夫ほか. 介入研究によるエビデンスの「つくる・伝える・使う」の促進に向けた基盤整備への呼びかけ 〜日本運動疫学会プロジェクト研究〜.
運動疫学研究. 2015; 17(2): 113-117.
プロジェクト研究の目的:わが国における介入研究によるエビデンスを整理し,実践するための情報を提供することによって,
運動疫学分野におけるエビデンスの「つくる・伝える・使う」を促進すること。
プロジェクト研究の成果:すでに論文発表されているわが国における介入研究によるエビデンスを、運動疫学研究に資料論文として投稿していただき、
その詳細について情報発信していただいた。その他の研究と共にエビデンス論文を整理し、以下の表のようにまとめた。
対象項目
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評価項目
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介入方法
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研究デザイン
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対照群
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文献
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肥満 |
体重
体重
歩数・食習慣
| スマートダイエット
佐久肥満克服プログラム
LiSM10!©
| RCT
RCT
RCT
| 1回講演
何もしない
何もしない
| 中田18(1)
中出19(1)
Maruyama et al., Prev Med 2010
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糖尿病 |
2型糖尿病発症
| 生活習慣改善プログラム
(36ヵ月間で9回)
| RCT
| 生活習慣改善プログラム
(12ヵ月ごとに4回)
| Saito et al., Arch Intern Med 2011
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関節疾患 |
WOMAC
| 楽ひざ体操
| RCT
| 何もしない
| 畑山18(1)
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認知症 |
MMSE
MMSE
| 複合型運動プログラム
複合型運動プログラム
| RCT
RCT
| 何もしない
健康教育
| 西口18(2)
土井19(2)
|
メンタルヘルス |
更年期指数
| ストレッチ
| RCT
| 何もしない
| Kai et al., Menopause 2016
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運動不足 |
身体活動実施
| コミュニティワイドキャンペーン
| クラスターRCT
| 自治体による公衆衛生サービス
| Kamada et al. Int J Epidemiol 2018
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転倒 |
転倒回数
| スクエアステップ
| RCT
| 筋力&バランストレーニング
| 重松18(2)
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ヘルスリテラシー |
包括的ヘルスリテラシー
| アクティブ・ラーニング
| RCT
| 何もしない
| Uemura et al. J Am Geriatr Soc 2018
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References
・土井剛彦ほか. 軽度認知機能障害を有する高齢者の認知機能向上のための複合的運動プログラム:日本運動疫学会プロジェクト研究“介入研究によるエビデンス提供”.
運動疫学研究. 2017; 19(2): 102-109.
・畑山知子ほか. 膝痛緩和のための通信型運動プログラム:日本運動疫学会プロジェクト研究“介入研究によるエビデンス提供”. 運動疫学研究. 2016; 18(1): 36-46.
・Kai Y, Nagamatsu T, Kitabatake Y, Sensui H. Effects of stretching on menopausal and depressive symptoms in middle-aged women: a randomized controlled
trial. Menopause. 2016; 23(8): 827-32.
・Kamada M, Kitayuguchi J, Abe T, Taguri M, Inoue S, Ishikawa Y, Bauman A, Lee IM, Miyachi M, Kawachi I. Community-wide intervention and population-level
physical activity: a 5-year cluster randomized trial. Int J Epidemiol. 2018; 47(2): 642-653.
・Maruyama C, Kimura M, Okumura H, Hayashi K, Arao T. Effect of a worksite-based intervention program on metabolic parameters in middle-aged male
white-collar workers: a randomized controlled trial. Prev Med. 2010; 51(1): 11-7.
・中出麻紀子ほか. 行動科学的手法を用いた減量プログラム(佐久肥満克服プログラム):日本運動疫学会プロジェクト研究“介入によるエビデンス提供”.
運動疫学研究. 2017; 19(1): 44-53.
・中田由夫ほか. 肥満者への集団型減量支援プログラム“SMART Diet”:日本運動疫学会プロジェクト研究“介入研究によるエビデンス提供”.
運動疫学研究. 2016; 18(1): 30-35.
・西口周ほか. 認知機能,脳活動効率改善効果を示す複合型運動プログラム: 日本運動疫学会プロジェクト研究”介入研究によるエビデンス提供”.
運動疫学研究. 2016; 18(2): 99-104.
・Saito T, Watanabe M, Nishida J, Izumi T, Omura M, Takagi T, Fukunaga R, Bandai Y, Tajima N, Nakamura Y, Ito M; Zensharen Study for Prevention of Lifestyle
Diseases Group. Lifestyle modification and prevention of type 2 diabetes in overweight Japanese with impaired fasting glucose levels: a randomized controlled
trial. Arch Intern Med. 2011; 171(15): 1352-60.
・重松良祐ほか. 転倒予防や認知機能向上のための運動プログラム“スクエアステップ”:日本運動疫学会プロジェクト研究“介入研究によるエビデンス提供”.
運動疫学研究. 2016; 18(2): 105-112.
・Uemura K, Yamada M, Okamoto H. Effects of active learning on health literacy and behavior in older adults: a randomized controlled trial.
J Am Geriatr Soc. 2018; 66(9): 1721-1729.
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