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ICPAPH2012におけるStudent Award受賞のご報告

日本学術振興会(島根大学)  鎌田 真光

この度、The 4th International Congress on Physical Activity and Public Health (Sydney, 10/31-11/3)において、Student Awardを授与いただきました。
国内の学会を含め、研究発表での受賞は私自身初めてのことであり、大変光栄に思っております。学会関係者の皆様をはじめ、研究実施地である
島根県雲南市の皆様、共同研究者・研究協力者の皆様、そして日頃より熱い議論を交わしてご指導・ご支援いただいた多くの運動疫学研究会会員の
皆様に厚く御礼申し上げます。
研究のタイトルは“Community-wide campaign using social marketing to promote physical activity in middle and old-aged people: a cluster randomized
controlled trial”(共同演者:北湯口純・井上茂・塩飽邦憲)です。からだを動かすことが健康に良いことは明らかになってきていますが、世界的な
「不活発化」 の流れには中々歯止めがかかりません。研究によるエビデンスという点で見てみると、圧倒的に不足しているのが、「ポピュレーション
レベルでいかに身体活動を促進するか」についてのエビデンスです。島根県雲南市で私たちが取り組んでいる「運動キャンペーン研究(通称)」は、
評価・検証を行いながら、地域でからだを動かす人を増やす取り組みを行っており、まさにこの問いに対する答えに挑んでいます。今回の発表は、
その1年経過時点での結果を報告したものです。
Mass Media and Social Marketingのセッションでの発表でしたが、学会長であるAdrian Bauman先生や次期学会長のFiona Bull先生など、運動疫学の
分野で著名な先生方も発表を聞かれており、発表後には、多くの方に声をかけていただきました。研究結果は、「1年間では、アウェアネス(気づき)
と知識は高まるが、集団レベルでの行動(身体活動)の変化までは見られなかった」というもので、
1)取り組んでいる研究課題の重要性
2)群無作為化比較試験という理想的な研究の方法をとっている点
3)ソーシャル・マーケティングとロジック・モデルに基づいた詳細な計画・実施と分析
の3点が受賞に向けて評価していただいたポイントのように思います。「チャレンジングだからこそ面白い」このプロジェクトは、2012年10月に
3年後評価を迎えており、これからさらにその成果を学会・論文上で発表していきたいと思っております。このようなテーマに各地で取り組んで
いらっしゃる皆様との連携・協働をより活発にし、運動疫学研究会の学術集会では、ぜひまた皆様と熱い議論ができますことを楽しみにしております。
より一層のご指導・ご支援をよろしくお願いいたします。

(〜以下、研究会広報委員としても一言〜)
ところで、この学会には世界57カ国から1,000人以上が参加しており、日本からも多くの運動疫学研究会の皆様が参加されましたが、このような賞は
学会として初めての取り組みとのことで、記念すべき第1回(?)を日本からの発表が受賞したことになります。また、母体であるInternational Society
for Physical Activity and Health(ISPAH)のSecretary-Treasurerには、東京医科大学の井上茂先生が選出されております。ISPAHは発足してまだ10年
経たないとは言え、身体活動と健康について国際的なイニシアチブをとる上で重要な学会であると考えられます。
http://www.ispah.org/
井上先生からは、ぜひ多くの方に会員になっていただきたい!とのメッセージをいただいております。ISPAHの会員になると、Journal of Physical
Activity and Healthの購読が可能になります。私個人としても、世界のコアな研究者が集まるが大き過ぎないというこの学会の特徴は、国際的な
ネットワークを広げる上で有効だと感じています。今後もぜひ日本から多くの方に参加していただき、世界の研究者とネットワークを築く機会に
していただけるとよいのではと、日本の運動疫学分野の発展を願う一人として希望を抱いております。次の開催は、2年後の2014年4月8−11日、
ブラジルのリオデジャネイロです(遠い!ですが、それだけの価値があるはずです!)。
なお、今回のシドニーでの学会中の情報収集メモを作成いたしました。個人的なメモですので、かなり偏っていますが、興味のある方はお送りします
ので、(まだの方はぜひ運動疫学研究会の会員になられた上で(笑))気軽にご連絡下さい。(kamadaとgakushikai.jpの間に@)
(収集した主なテーマ: 1.身体活動全般 2.地域介入、ソーシャル・マーケティング 3.環境介入 4.政策 5.スポーツ障害予防 
6.子どもの運動能力 7.ユース・スポーツ(発育発達、エリート) 8.ソーシャル・メディア 9.研究者サバイバル術) 
http://sma.org.au/2012/11/conference-award-winners/

受賞記念写真
受賞記念写真
Fiona Bull先生(中央、The University of Western Australia)、Adrian Bauman先生(右端、The University of Sydney)、東京医科大学、早稲田大学の先生方と。

賞状
賞状

口頭発表の様子
口頭発表の様子
Award候補者の3人に選ばれていることが事前に公表されていたので、リハーサルでは武者震いで久しぶりに膝がガクガクしましたが、
本番では噛まずに乗り切りました。笑

Keynote Speakerと学生・ポスドク参加者のランチ
Keynote Speakerと学生・ポスドク参加者のランチ
事前希望に従い、私はUniversity of British ColumbiaのKarim Khan先生(右から4番目)のテーブルに。
非常に良い企画でしたが、日本からの参加者は私だけでした。次回はぜひご参加を。






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